画像はショウサイフグ
アカネ科とルビー、アリザリン
RUBER「赤」
アカネ科
Rubiaceae
や、アカネ属
Rubia
は、ラテン語
ruber ルーベル「赤い」から来ており、アカネの根が赤色の染料に用いられたことにちなむ。英語のruby「ルビー」もこのruber
から派生した。アカネという和名も「赤根」の意。茜(あかね)という漢字は、西の空を染める夕陽を表わしている。もっとも、トコンはアカネ科ではあるが、根は赤くはない。 セイヨウアカネ(Rubia
tinctorum)は、古くは油絵等にも用いられた。セイヨウアカネは英語で
Madder マダーというが、ウィザー・アンド・ニュートン社が真性ローズマダー(Rose
Madder
Genuine)という名の絵具を発売している。セイヨウアカネの色素には、アリザリン(alizarin)とパープリン(またはプルプリン:purpurin)があり、どちらもアントラキノン骨格を持っている。アリザリンはかつて食用色素としても用いられてきたが(またセイヨウアカネは西洋ではかつて利尿薬としても用いられてきたが)、ラットにおける発ガン性が明らかになり、現在では使用されていない。もっとも、日本のアカネはパープリンが主な色素である。アリザリンスルホン酸ナトリウムは、アリザリンレッドS
と呼ばれる色素で、リン酸カルシウムの沈着部位を赤く染色するため、骨組織の石灰化の比色定量や、硬骨を染色して発生学標本や魚類標本における「透明骨格標本」
をつくるために使用される。−『生薬単』p.63
トコン Cephaelis
ipecacuanha
のコラムより
透明二重染色標本を見る