まるでSFの宇宙船を思わせる金属的光沢と条線の入った柱状が特徴の輝安鉱(きあんこう)。アンチモンと硫黄の鉱物である。斜方晶系の結晶。
 輝安鉱は日本を代表的する鉱物。明治時代、愛媛県の市ノ川鉱山(現在は閉山)では、長さ
50cmを超える日本刀を束ねたような形状をした見事な輝安鉱の結晶が多数採れた。しかしその多くは海外の博物館へ流失した。現在も世界中の博物館で市ノ川産の輝安鉱が展示されている。私の標本は中国湖南省冷水江で採れた輝安鉱。stib

輝安鉱 Sb2S3 (長さ63mm・重さ27g